剪定後。
今年は法事があるからその前までに奇麗にして欲しい、との連絡を受けいつもより早く剪定に伺いました。
このお宅の松は毎年のように状態がおもわしくなくて、その年の松の体調(?)に合わせて加減しながら手入れを行っています。
親方は場所と松の枝ぶりとか性質を見て、理想の姿をアタマの中で描きながら剪定しているようなのですが、その通りになかなか成長してくれない個性もあります。
この松は、昔はこのような性質ではなかったと親方から聞きました。葉の性質も良く期待通りの剪定結果の得られる松だったそうです。それが、家の工事のため移植して今の位置に帰って来たら、現在のような性質に変わってしまっていたんだそうです。その移植は親方がやったのではないのですが、その時のことを本当に残念そうに話していました。
原因があればその処方をするのですが、思ったように結果が出る場合ばかりではありません。これからも様子を見ながら根気よく付き合っていきます。
松の理想の姿とは、人間の都合もありますが、限られた場所で木と人が共生している姿でもあると思うのです。長い歳月の中で松が獲得するであろう姿の圧縮した形を、人が模索した結果でもあると思うのです。