消毒と言えば普通は殺菌のことを指すと思いますが、庭の作業では殺虫のことも「虫の消毒」と言います。面白いですね。
消毒の予約をいただいたお客様の庭を、写真の動力噴霧器を使ってまわる作業は、梅雨の終わりそうなこの時期と秋の年2回ほど行っています。消毒時期は毎年イラガ類の幼虫の発生時期で決めています。イラガの幼虫は毒トゲを持ち、それに触れると強烈な痛みを感じ皮膚炎を起こす厄介な毛虫で、お客様から一番嫌われています。カエデ類、ハナミズキ、カキ、ウメなどの落葉樹や果樹などに多く発生します。
また、チャドクガなどのドクガ類の毒針毛も厄介です。こちらは幼虫の体に直接触れなくても、卵、幼虫、サナギ、成虫のどの時期にも毛は付着しているので、それが皮膚につけば皮膚炎を起こします。チャドクガはサザンカ、ツバキなどのツバキ類にのみ発生します。発生時期は5月頃と9月頃ですが、虫の発生は気候や庭の条件などの環境で変わってきます。
ドクガに皮膚を刺されたら、まず水で洗い流します。手で払ったりすると毛を皮膚に食い込ませることになり被害が大きくなります。症状がひどいときや目に入ったときなどは医師の治療を受けたほうがよいです。
私達は刺されたら触らずに直ぐガムテープなどで毛を取り除き、水洗いしたあとクスリを塗るのがよい、と同業者に教えられました。
農薬は、適用作物や使用方法が明記されていますので、必ずそれを守って使います。現在、私達が使っている殺虫剤はトレボン乳剤です。「人や動物に低毒性の殺虫剤で、皮膚、粘膜の刺激性もありません。安全性がことに要求される公共の場所での緑化樹や花の害虫防除に最適の殺虫剤です。さらに天敵としてのクモや、また鳥類への安全性も高く、安心して使用できます。 各種の樹木に対して薬害の心配がほとんどなく、安心して使用できます。」ということで選びました。日本は農薬に対する毒性試験は厳しいとはいえ、薬なので害はあります。使用量、使用回数、使用時期は必ず守り、適切な使用を心がけていきたいと思います。
自然界では虫と植物は共生関係にあり、虫が植物の成長を阻害するほど大量発生するのにも訳があり、なんらかのバランスをとっているのだと思います。人間による環境の破壊による被害も大きな原因だとも思いますが...。庭ではその環境のバランスを人がとってやらねばなりません。庭木の剪定は樹形を整えるだけでなく、庭の風通しをよくして虫が大量に発生する環境にしない役目もあったりします。
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